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ガードマンのつづる日常

ガードマンのつづる日常

杉山巡の図書室

  杉山巡の図書室 
 このコーナーでは私が今まで出会った「本」を皆さんに紹介する作業を通じて、
その本や著者をもっと深く理解したいと思っております。


(1)文禄・慶長の役 空虚なる御陣
上垣外憲一(かみがいと けんいち)
講談社学術文庫2002年4月10日発行本体¥920

文禄・慶長の役 空虚なる御陣

 織田がこね、羽柴がつきし天下もち、座りしままに食うは徳川

 徳川政権(幕府)が成立するにあたって信長や秀吉の業績を家康が受け継いだということは誰もが認めています。しかし、権力の性として暴力・殺し合い・虐殺がその成立には付きまとっています。

 信長は一向宗門徒を殺戮しました。そして、秀吉は朝鮮に出向き、信長がやったと同様の虐殺をかの地で行いました。秀吉の死後その家臣団は分裂し関が原で戦います。そして、家康が権力を握るわけですが、三代目の家光のときに、キリシタンの弾圧・虐殺となるわけです。

 徳川時代は平和な時代だったのですがそれが成立するにあたって、三つの虐殺・殺戮があったという歴史認識が必要だと思うわけです。

 それぞれの殺戮がバラバラに認識されているように思われます。門徒は信長が、朝鮮は秀吉が、キリシタンは家光が、と、その時の権力者に責任を押し付けている。

 この本を皆さんに紹介したいのは、朝鮮出兵の顛末、朝鮮での軍事行動が出先の司令官の独自の判断で動き、中央・秀吉のコントロールを受けていない、だだ、虐殺の指令だけが確実に実行されている。

 日本外交の不在、非常に現代的な・現在的な内容が描かれているわけです。

 因縁めいた話ですが、広島は安芸門徒の拠点でした。長崎はキリシタンの街です。もう一つの原爆はマッカーサーのとき、朝鮮に落とされようとしていました。歴史の先の話は何が起こるかわかりませんが、可能性は高いと歴史を勉強した?私は心の中で思っているわけです。


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(2)偽書「武功夜話」の研究
藤本正行・鈴木眞哉
用泉社新書2002年4月20日発行本体¥780

偽書「武功夜話」の研究

 (1)で紹介した本の主要参考文献のなかに「武功夜話」がありました。へぇー、文禄・慶長の役のことまでに言及しているんだー、と、驚きと同時に感心もしたわけです。

 この「武功夜話」は歴史の好きな、特にマニアックな人々にはロマンを持って登場しました。伊勢湾台風の後で、壊れた土蔵からご先祖の書いた文献が出てきた。自費出版して親戚に配ろうと東京の出版者の人に見せたら、これは歴史を書き変えるほどの文献だと。

 専門家ではない我々歴史マニアにとっては喜ばしい事件であった。好意的に受け取ったのだ。そして、編集者というのは素人にとっては神様に近い。

 しかし、歴史の専門家から見れば、デタラメこの上ないとのことなのです。考古学の捏造事件がありました。デタラメな資料で著名な小説家が歴史小説を書き、それが原作となって、NHK大河ドラマが創られていく。ここらで歯止めをかけようというわけです。

 その文献が資料として一人歩きして、上垣外さんの著書にもその論拠として引用されている。歴史はややこしい、しかし、面白い。


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(3)天の涯に生くるとも(てんのはてにいくるとも)
金素雲/新潮社/1983年5月25日発行/1400円


 「韓日辞典」の編者として名前は良く知っていたが、著書を読んだことはなかった。ラジオで「ネギを植えた人」の朗読を聴いたのが作品にふれた最初である。

 同人誌にテーマとして取り上げようと思ったのは、彼の認知していない息子の起こした事件がきっかけだった。私の知る学者が本を出している出版社の社長がその事件にかかわった。新宿のスナックでその社長と朝まで飲んだこともあった。著名な文学者の息子と懇意であるとも言っていた。

 その辺の事情を書くためにも著名な文学者を知らなければならない。それで購入したのがこの本であった。


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